○ パイロット万年筆の最高級シリーズとして社内の蒔絵職人集団「国光会」の中でも熟練の職人の手で一本一本、手間暇をかけて描かれている高蒔絵シリーズの林勝氏作「四君子」です。そのため、他の蒔絵万年筆と異なり、国光会の文字の横に作家名と花押が書かれています。また、平蒔絵シリーズが同じ１０号ニブでも１４金であるのに対して、この高蒔絵シリーズは１８金ニブが与えられています。高蒔絵シリーズは、現在も作られ続けていますが、その「四君子」は現在生産終了となっています。
〇 パイロット万年筆は1931年に創業者である並木良輔氏が当時の蒔絵界の重鎮にして人間国宝の松田権六氏に依頼し松田氏を筆頭とした蒔絵師集団「国光会」を組織し、世界で初めて万年筆に漆塗を用いました。それ以来、今も世界で唯一、社内に蒔絵師組織を持ち、国光会の名の下に美しい蒔絵万年筆を世に出し続けています。 ○ 高蒔絵は同じ金蒔絵でも研ぎ出し蒔絵よりも工程数が多く、最も手間が掛る蒔絵技法の一つです。手間が掛るだけでなく、下絵から始まり、盛り上げ、蒔絵と同じ図柄を寸分たがわず何度も描く必要があり、正確無比な筆運びが要求される高度な蒔絵です。それだけに仕上がりは奥行きがあり、圧倒的な美を放ちます。また、金粉の上に漆が載せられ、磨き出されているため、強度もあり、 長くお使い頂ける技法です。
〇 四君子は、「蘭」「竹」「菊」「梅」の４種を言い、後ろに君子が付く様に、徳と学、そして礼儀を備えた花と言う意味で、大変縁起の良い組み合わせ、図柄として古くから日本圏で親しまれてきました。特に絵画の題材としては最も普遍的な画題の一つで、この４つの花を描けば全ての筆遣いが学べるとも言われています。現代の日本では縁起の良い図柄と言うと松竹梅が知られていますが、江戸期までは日本でもこの四君子の方が一般的だったようです。今でも縁起の良い図柄として、またその図柄の華やかさからも晴れ着の文様として、掛け軸として愛されています。
〇 その四君子がその魅力を余すことなく描かれ、菊の葉などは金蒔絵を施してから、更に違う金粉で葉脈まで精緻に描かれて、見惚れる程です。縁起が良くまた季節を問わない図柄ですので、生涯の伴侶にも相応しい万年筆と思います。
○ 評判の高いパイロットの大型１０号の１８金ニブ、それに容量の大きなＮ７０タイプのコンバーターと万年筆としての機能も高い一本です。
○ 漆塗りはラッカーに比しても強靭な塗りで、通常の使用ではそうそうにハゲる心配はありません。使い終わった万年筆を優しく柔らかな布で拭いてあげる作業も心の落ち着く楽しいものです。
注意事項：全体に艶ややかで、目に付く傷や剥げ、クラックは無いと思いますが、品ですので、完品をお求めの方、神経質な方は入札をお控え下さい。ノークレーム・ノーリターンでお願いします。
【商品の説明】ブランド、メーカー：国光会高蒔絵・四君子、パイロットカラー・材質：金蒔絵（黄銅製バレル＆キャップに高蒔絵）ニブ（ペン先）：１０号１８金、字幅：Ｍインク補充方式：コンバーター、カートリッジ両用式（純正Ｎ７０コンバーター付です）サイズ：全長：１４２mm 、最大胴軸径：１２mm、重さ：１８．７g（素人計測）