君島聡氏は現在もっとも注目されている若手製作家です。河野賢氏の孫にあたり、河野ギター製作所に入社後、桜井正毅氏の下で長い修行を積み、2021年から自分のラベルで製作をはじめました。
本器はその直前となる2020年製の「ステラ」。一般発売される前の貴重なプロトタイプです。現在の「ステラ」は河野ギター工房で共同製作されており純粋な個人製作ではなくなっていますが、本器はプロトのため君島氏が一人で製作したものです。現在「ステラ」の価格は528,000円で、人気のため2年待ちだそうです。
造りや仕上げの上質さはもちろん、音質に関してもスペイン風ともドイツ風とも異なる、他のどの製作家にも喩えられない不思議な魅力を持っています。高音は明瞭で指離れが良く、あえて言えば60年代後半の河野ギターを彷彿とさせる音色です。低音は重厚に響き、分離が良く速いパッセージでも潰れません。音量も十分にありますが、単に音が大きいというだけでなく量感が豊かです。ダイナミクスが広いためフォルテッシモからピアニッシモまでコントロールしやすく、音色もタッチによって固い音から柔らかい音までニュアンス豊かに表現できます。総じて現代的な弾きやすさと個性が高いレベルでマッチしたサウンドだと感じます。
ウルフトーン（レゾナンス）はF#～Gの間にあり、低めに設定されています。一般的にウルフの低いギターは重量が軽いのですが、本器は約1.7㎏とやや重めで、それがこの独特な音色に一役買っていると思います。今回運よく君島ギターの上位モデルを入手できたので手放すことにしましたが、本器はそれに勝るとも劣らない素晴らしいギターです。
【スペック】表板：スプルース（松）単板横裏板：ローズウッド単板指板：エボニー弦長：650mmフレット数：19ナット幅：52mm弦幅：上駒42mm／下駒57mm重量：1710g塗装：カシュー
【状態】少々使用感はありますが目立つ傷はなく状態良好です。ブリッジ表面にわずかな塗装浮きがあります。ネックはわずかに順反りですが、これはおそらく設計思想によるものです。フレットはほとんど摩耗なく9割程度残っており、ビビりや音詰まりもありません。12F上の弦高は6弦4.0mm／1弦3.2mmです。サドルの高さは十分残っているのでお好みで弦高を下げることも可能です。
糸巻はオリジナルでGotoh 35Gをベースにアルミローラーにカスタムされたものです。元々のつまみは白でしたが本体の色合いに合わなかったので同じくゴトーの黒に替えてあります。白っぽい筋は傷ではなく模様です。それ以外購入時から手を加えた部分はありません。
※発送前に弦を新品に張り替えます。
【付属品】ハードケース（蓋側にアーチの付いた高級ケースです）
【発送】ギター用のダンボール箱を使用して丁寧に梱包し、宅急便着払いにて発送します。180サイズを予定しています。料金はhttp://date.kuronekoyamato.co.jp/date/Takkyubinでお調べください。
※24時間以内にご連絡、48時間以内にお支払いいただけない場合は落札者都合によるキャンセルとさせていただきます。